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September 03, 2011
PENTAX Q画質チェック
いくつかのポイントに絞ってPENTAX Qの画質のチェックをしてみたいと思います。先に断っておきますが、テスト撮影は普通の白色蛍光灯光の室内で特別な機材も用いず、被写体もそれぞれのモードなどに適したものではありません。なので、あくまで参考程度に見てください。
また、それぞれのサンプルはJPEGで記録したものをPhotoshopでトリミングして合成してJPEGで再保存したものなので、撮って出しの絵よりは多少の劣化があると思います。
では、最初に多くの人が気になっている(?)ISO感度別の比較から。元画像のサイズは4000x2664で、その中から1000x666を切り出しています。
さてどうでしょうか。暗部を見るとISO125でも多少もやっとした感じのノイズが見えます(JPEGのブロックノイズかもしれませんが)。この辺は素子が小さいためAPS-Cやフォーサーズにはどうしても敵わない部分ではないかと思います。でも、そんなに気になりませんね。明部は全くノイズが目立たず、ピントが合っている部分は奇麗に解像しています。
ISO800あたりからノイズが若干目立ってきます。しかし、無理にノイズを潰してるような様子は無く、ディティール消失してませんしコントラスト落ちていません。高感度NRを弱く設定しているせいもあるかもしれませんが。
ISO1600あたりになってくると、さすがにノイズが気になるようになり、NRによる解像感の低下がみられます。ISO3200と6400は背面液晶画面で見ても解像感とコントラストの低下が確認出来るようになります。かなり頑張ってるほうだとは思いますが、この辺はさすがに厳しいでしょう。
リサイズ&シャープネスをかけてブログ用などに使うならISO3200でも十分実用になるでしょう。25%程度までリサイズすれば、ISO800も1600も3200もほとんど区別つきません(笑)。むしろ、ISO3200なんて使うような暗いシチュエーションではピントのずれや手ぶれのほうが、解像感に大きな影響を与えてしまいます。
2LやA4程度のサイズのプリントだったらISO1600あたりまでであればノイズが気になる事はないでしょう。
ISO6400は25%縮小しても厳しいです。明らかに解像感やコントラストの低下がわかっちゃいます。ノイズ多めでもブレるよりマシ、という場合に使うぐらいでしょう。
なので、撮った写真の用途にもよりますが、常用可能なのはISO1600までと考えた方が良さそうです。
次は、高感度NRの強度別比較です。ちょっと手を抜いてISO3200と6400のみの比較になります。
これはもう説明するより画像を見てもらえば一目瞭然ですね。強度を強くした方はディテールが消失しています。コントラストはさほど’変わらない感じでしょうか。ただ、この辺は、この微妙な差がどうしても気になる人以外はカメラのAUTO設定に任せてしまって良いレベルでしょう。
では次。ここから先は画質云々と言うより、PENTAX Qはこんな撮影モードがあるよ、という紹介のようなサンプルになります。
PENTAX Qで初搭載されたBC(ボケコントロールモード)によるサンプルです。画像は縮小した上で合成していますが、だいたいこんな感じというのがかわれば十分だと思います。
ボケの強度は3段階あります。以前のイベントで触ったβ機での一番強いボケはかなり不自然でしたが、製品はかなり改善されてるように見えます。ただやはり、一眼レフの明るい高性能レンズで撮ったような奥行き感のある“とろけるような”ボケという訳にはいきません。ピントが合った被写体以外にソフトフォーカスをかけてるような感は否めません。まあでも、これはこれでそうゆう効果だと思って使えば悪くは無さそうです。
それから、BCのアルゴリズムの癖なんでしょうけれど、手前から奥(あるいは奥から手前)にかけて連続的に続く被写体のボケは苦手なようです。人物と背景のように明確に距離差があるシーンだと結構いい感じにボケてくれます。
最後は、スマートエフェクトと、PENTAX Qで追加されたカスタムイメージの「ポップチューン」のサンプルです。特に説明しません。画像を見てください。
被写体と撮影環境が各効果対して適切とは言えませんので、効果の差がわかりにくいものもあります。すいません。
<スマートエフェクト>
(画像をクリックすると大きなサイズで見れます。)
<カスタムイメージ:ポップチューン>
(画像をクリックすると大きなサイズで見れます。)
PENTAX Qの画質については、「所詮コンデジレベル。」「いやいやなかなか頑張ってるじゃないか。」「最高。もうマイクロフォーサーズ要らないんじゃない?」といったものまで様々あります。
個人的には、「なかなか頑張ってるじゃないか。」と思います。条件次第では、それこそ1/2.3型の素子で撮ったとは思えず、パっと見ではもっと上のクラスの素子(フォーサーズ等)で撮った写真と区別がつかないようなケースもあるだろうと思います。
このレベルまで画質をチューニングするのはさぞかし大変だった事だろうと思います。開発陣がどうせ小さい撮像素子だから、と、どこかで割り切るような気持ちで開発していたらここまでの画質は実現出来ていなかったでしょう。そんなところからも、開発陣のモチベーションの高さや思い入れの強さが伝わってくるようです。
PENTAXは良いカメラを作ってくれました。その想いや製品を活かすも殺すも、後は撮る側の腕次第ですね。
2011 09 03 05:23 PM | 固定リンク
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